痛い!剣道の「かかと痛」その対処法は?
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トレーニング・体調管理 かかと用サポーター, かかと痛, 踏み込み, 踵
目次
かかと痛は剣道あるある。みんな必ず悩まされる
剣道において、踏み込む側の足=右足の踵(かかと)の痛みに悩まされる剣士は多いです。
私も高校時代、とくに高校1年生の時、慢性的にかかとの痛みがあり、つらい思いをしました。とくに自分は、比較的柔らかい道場の床ではなく、体育館での練習だったため余計にかかとへの衝撃が強く、痛みが発生しやすい環境だったかもしれません。
この記事をお読みの方の中にも、かかと痛を抱えている方は多いのではないでしょうか。
剣道における「かかと痛」は初心者ほどなりやすい傾向があると思います。
春から剣道を始めた初心者が、面をつけて稽古するようになると、けっこうかかとの痛みも出てくるものです。
・手のひらのヒリヒリ感、マメ、水ぶくれ、皮がむける(素振り不足)
・足の裏の痛み、マメ、水ぶくれ、皮がむける(素振り不足、稽古不足、足裏がまだ柔らかい初心者)
・かかとの痛み(かかとに負担が過度にかかり痛み発生、初心者に多い)
などがほぼ必ず発生する剣道初心者の悩みです。
剣道をやる体づくりとしてここを通らないといけないという面はもちろんあります。
手のひら、足の裏のマメは固くしておくことで強くなります。また、マメとして固くなれば痛みはなくなります。
しかし、「かかと痛」に関してはケガに近い所もあるので、ケアは必要でしょう。中でも中学生、高校生など成長過程にいる剣士は、過度な無理はさせない方が良いです。一時的な炎症、ケガの状態から、慢性的な障害に近いような状態を招いてしまっては、日常生活にも、剣道を続けることにも支障が出てしまいます。しっかりと対処した方が良いです。
なぜ初心者ほぼかかとが痛くなるのか?
では、なぜ剣道初心者ほどかかとが痛くなりがちなのでしょう?
それは、まだまだ稽古不足で「正しい踏み込みができていない」ということなのですが、その正しい踏み込みにはコツがあります。
多くの人が「強く踏み込め!」と指導を受けているでしょう。
これは何も間違っていません。気剣体一致の打突のための「体」として、足の踏み込みはすごく重要な要素です。
しかし、初心者と経験者(有段者など)では踏み込みの“質”が違うのです。
経験者の踏み込みは音が大きいことにお気づきでしょうか?
「バチィーン!」「ビターン!」という感じじゃないですか?
一方で初心者の踏み込みの音は
「ペチョ」「コツッ!」「ドスッ!」「ファサ~」という感じが多く見受けられます。そして踏み込み時の音が安定していません。
床への足の着地が安定しておらず、それがタイミングによって過度にかかとに負担をかけている状態を招くのです。
正しい踏み込みのイメージは柔道の受け身
ではその正しい踏み込みのコツですが、そのイメージは柔道の受け身をイメージすると良いのではと思います。
どういうことか?柔道の受け身は投げられて身体が地面落ちる瞬間、自分の腕(足)を振り、床を叩くように受け身を取ります。叩くように自ら力を床に伝えることで力を分散し、身体への衝撃を和らげます。
剣道の踏み込み足も一緒です。床を叩くように力強く踏み込むことで、力を分散し、かかと一点かかる体重、衝撃を和らげるようにします。
拳を握って床にパンチをするより、床を思いっきり手のひらで叩いた方が痛くないのは簡単にイメージができますよね?
その状態を足で作るのです。
「バチィーン!」と大きな音が鳴る踏み込みを意識して練習してみてください。
足より手の方が器用なので、まずは手のひらでイメージをつかむと良いです。
手のひらで「バチィーン!」と床を叩く感覚。「ドスッ」と鈍い音ではダメです。(そしてその時は痛いはず)痛くなく心地よい「芯でとらえた感」のある叩き方が絶対にあります。そしてこれはいくら他人から説明を受けても自分で感覚をつかまない限りは理解も習得もできないものです。剣道経験者は、最初は痛い思いをしながら、稽古を繰り返すことで感覚をつかみ自分のものにするのです。
ぜひ、音の出る踏み込みを練習してください。
痛みは絶対に減ります。柔道の受け身と一緒で大きな音が出た時ほど痛くないのです。衝撃のパワーが「音」のエネルギーに変換されて発散されているイメージでしょうか。この正しい踏み込みをコツをつかむと、余計な力も入らず、しかし力強い正確な踏み込みができて、何度繰り返しても痛くならなくなります。
自分も今通っている道場で一番大きな音が出るほど強い踏み込みをしますが、かかとの痛みは全くありません。
最初は痛い所も多く、苦しくつらい面が多い剣道ですが、稽古を重ね継続することで感覚をつかみ、不快感が減り、楽しくなってくるものです。
剣道による「かかと痛」の対処法
上で説明した通り、正しい踏み込みのコツをつかむことでかかとの痛みに悩ませれることは減るのですが、そうは言ってもかかとの痛みは剣道につきものです。剣道初心者でどうにも痛い、でも練習はある。。休めない。。という方も多いはずです。剣道のかかと痛にはどんな対処法があるのでしょうか?
まずは可能な限り休ませること(負担軽減)
かかとの痛みは炎症です。ほぼケガの状態なので、できれば休ませてあげたいです。
5日~1週間ほどあれば状態はだいぶ改善します。
一時的に踏み込まず「すり足」での打突を意識する、もしくは指導者に説明して素振りのみの練習参加にさせてもらうのも良いと思います。長引かせたり、慢性的に痛みを抱えた状態を作るよりも、勇気をもって一時的にお休みすることも大切な自己管理です。
かかと用サポーターで衝撃を和らげる
休めない。試合がある。そんな状態もとくに学生剣士には多いでしょう。
そのような人は「かかと用サポーター」を使う人が多いです。
チーム内に常に誰かはかかとサポーターを着用されているんじゃないでしょうか?または試合会場に行くと必ずサポーターを着けている人を見ますね。みんなかかと痛に悩まされてるんです。
昔はウレタン素材の衝撃吸収材が入ったサポーターが主流でしたが、すぐに潰れてしまいあまり意味がない、、ということも多かったかかと用サポーターですが、今は潰れない固めのしっかりした芯材が入ったサポーターが多いので、そのような固めの芯材のサポーターを選ぶと良いでしょう。
※サポーターは、柔らかいものが良いと思いがちですが、柔らかいとすぐに潰れてサポーターの意味をなさないケースもあるので、固めを選ぶの良いんですよ。
このようなサポーターが市販されています。
かかと用でつま先は出ていますので、剣道の動き上は特に違和感なく着用できます。
だいたい2,000円くらいで買えるものですので、ひとつ持っておくと良いですね。
着用感が良いものが増えました。
その後かかとが痛くならないためにー痛くならない踏み込みを覚えよう
剣道のかかと痛対策として一番良いのは、「痛くならない正しい踏み込みをする」ことだと思います。
痛くなってしまったものは、上記のようにサポーター等で軽減、ケアはしてあげて、あとは痛くならない踏み込みをしっかりと身に着けてほしいです。上で紹介したような大きな音が出る踏み込み、これがかかとに負担をかけない踏み込みができている一つの証拠になりますので、上で紹介したようなコツを意識して、踏み込みの練習をしてみてください。
千里の道も一歩から。正しい踏み込みを身につけてください。
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